企業インタビュー
株式会社大和リーアルティ取締役 早坂 勇人
グループ企業として、水道業、不動産業、社会福祉、農業に取り組み、創業42年になります。2011年の大震災発生直後から給水活動、ライフラインの復旧、開発分譲してきた宅地建物の復旧、被災した高齢者の受け入れなど、被災地の企業として多くの復旧復興に取り組んでまいりました。さらに被災者が新生活を始めるお手伝いができるよう貢献に尽力してきました。
2015年には保育所施設のスタート、そして、2017年には大和町の赤崩山の麓、七つ森を一望できる場所に了美(りょうみ)ワイナリーをつくりました。約15haに及ぶ敷地は宮城県最大規模のワイナリーです。約3.3haのブドウ畑は、夏には風通しがよく、水はけがよい土地なので葡萄の栽培にぴったりの場所です。
ワインをつくることのできるブドウが育つまでには約4年。それまでは国産のブドウを使ってワインの醸造をしていました。今、育てているブドウは10種類以上です。この土地に合うブドウはどれか?美味しいワインをつくるにはどんなブドウがいいのか、試行錯誤の連続です。ブドウが雨にあたって腐らないようにビニールをかけたり、タヌキ等の小動物などの動物に食べられてしまわないようにネットを張ったりと、おいしいブドウを作るだけでなくどうやったらブドウを守れるのか考えなくてはいけませんでした。
ワイナリーがある大和町(たいわちょう)は大自然に囲まれた素晴らしい場所ですが、あまり観光スポットはありませんので、ワイナリーが観光地としてたくさんの人に来てもらえるようレストランを丘の上に建設しました。ガラス張りの店内からは一面のブドウ畑が見えます。ワインをより一層楽しんでいただくための料理をシェフやスタッフとともに開発しました。大和町の名産品のほか、仙台牛など宮城ならでは食材を活かしたお料理を提供しています。中でもたくさんの皆さんに喜んでいただけるのは趣向を凝らした前菜です。箱のような器の上に前菜、そして、パカっと蓋を開けた中にも前菜が入っています。食べる人の「わぁっ」と驚いた顔を見るのがスタッフも皆嬉しいのです。
さらに宿泊施設「Retreat 了美 七ツ森」をレストランの隣に建設しました。ワイナリーに泊まるという特別な体験をしていただくための施設は1棟に1組限定。夜には満点の星空、冬には薪ストーブが焚かれ、唯一無二の空間が広がります。地域の食材を活かしたBBQはすべて部屋に準備されているため誰にも邪魔されることなく家族だけの時間を過ごすことができます。私たちが目指すのはワイナリーという場所を特別な場所にすること、そして、日本産のワインが世界に認められるようよいワインをつくることです。
私たちのワインは先日フランスで開催された世界中の女性ワイン専門家が選ぶワインの国際コンクール「フェミナリーズ世界ワインコンクール」で金賞に選ばれました。世界が認める「日本ワイン」をつくるという夢にさらに近づきました。これからも宮城の農業や復興を支える事業を行なっていきたいと思っています。
皆さんはまだワインは飲めないかもしれませんが、了美Vineyard and Wineryにはレストランや宿泊、景色を楽しむという様々な楽しみ方があります。ぜひ遊びにきてくださいね。