企業インタビュー
仙台中央タクシー株式会社取締役 清川 晋
仙台中央タクシー株式会社は、大正12年(1923年)創業の、仙台で最も歴史が長いタクシー会社です。もとはシミヅタクシーという名前の会社でしたが、戦後に『仙台中央タクシー株式会社』という名前に変わりました。
仙台中央タクシーには約230名のドライバーが在籍しており、100台を超えるタクシーを運用しています。タクシーの種類はいろいろあり、お客様が4人乗ることができる通常サイズのタクシーから、9人乗れるジャンボタクシー、介護タクシー、マイクロバスも手配する事ができます。 観光にも力を入れており、タクシーを使った観光プランの作成や、貸切タクシーの手配などのご要望にお応えしています。
2002年にタクシーの参入規制が緩和されたことにより、街中にびっくりするほどたくさんのタクシーが走るようになりましたが、タクシーが増えすぎることによって街の環境悪化や、タクシーの運転手さんへの収入が減るなど大きな問題になりました。
仙台中央タクシーは、このような状況の中でどのようにしたら「選ばれるタクシー会社」になれるか?を考えました。東日本大震災の経験を語り継ぐ語り部タクシーや、個人観光に特化したサービスなどへの取り組みを開始し、さらに海外から仙台に遊びに来るお客様のニーズに合うサービスを始めました。海外のお客様が最も不安に感じる点は「言葉が通じないこと」「場所の説明ができないこと」そして「日本のタクシーは高い、結果的にいくらかかるがわからないというイメージ」があることでした。そこでスマホのアプリでタクシーを呼ぶことができるUber (ウーバー)を2019年に仙台でいち早く導入しました。(Uberは食べ物を運ぶUber Eatsのアプリもやっていますね!)
Uberでタクシーを呼ぶと、画面のマップ上で自分が使っている言語で行き先を指定したり、マップ上から選んだりすることができます。大体どのくらいの料金になるかもわかりますし、アプリに登録したクレジットカードでお金を払う事もできるので、お金のやりとりをせずにすぐにタクシーを降りる事ができます。もちろん現金で払う事もできます。
日本はまだまだ現金でのやり取りが多いですが、海外に行くと現金を持たないほうが安全なため、キャッシュレス化が進んでいます。コロナ前、日本には多くの外国人旅行客が来るようになってきていましたが、東北に来る外国人旅行客は日本全体に来る旅行客の2%ほどでした。もっと多くの観光客に仙台に来てもらうため、そして仙台の観光をより充実させるため、世界の人が利用するUberやDiDiのアプリを取り入れました。
タクシー業界全体の問題なのですが、ドライバーの高齢化が進んでいて、なかなか若い方がドライバーにならないのが問題になっています。仙台中央タクシーでは新しい取り組みとして、タクシードライバーをしながら、色々な夢を追うことを応援しています。スポーツや趣味、他の仕事に多くの時間を使って、週に数日だけ、夜だけなど、好きな時間にタクシーで働けることがタクシードライバーの大きな魅力です。 また、タクシードライバーはいろんな場所を車で走るので、街の魅力を存分に感じることができますし、多くの出会いがあります。これも魅力の一つだと思います。
皆さんはどんな時にタクシーに乗りますか?タクシーは天気が悪い時、荷物がたくさんある時、体調がよくない時など様々な場面で役に立つことができます。また、旅行の時にバスや電車ではなく、タクシーを使って観光するのもおすすめですよ。これまでとは違う景色に出会えるかもしれません。 街なかで青と緑のラインが入った“仙台中央タクシー”を見つけたら、ぜひ乗ってみてくださいね!